マリアージュフレール

マリアージュフレール

Mariage Frères

ブランドの起源

マリアージュフレールは、1854年6月1日にフランス・パリでアンリ・マリアージュとエドゥアール・マリアージュ兄弟によって創業されました。ブランド名の「マリアージュフレール」は、フランス語で「マリアージュ兄弟」を意味し、創業者兄弟の名前に由来しています。

そのルーツはさらに遡り、1660年代にマリアージュ兄弟がフランス東インド会社に身を置き、紅茶貿易に従事していたことに基づいています。

フランス東インド会社と貿易

フランス東インド会社は、1604年にマダガスカルを拠点とし設立され、ペルシャ、インド、東南アジアと交易を行っていました。しかし当時交易において他を圧倒していたオランダ、イギリスに遅れをとり停滞。

その後、1664年にフランス東インド会社はコルベール(ブルボン朝第3代の国王ルイ14世に仕えた財務総監)によって再建され、国営貿易会社となりました。

この時代にフランス東インド会社の使節団の一員として、兄ニコラス・マリアージュ(Nicolas Mariage)はペルシャ・インドへ、弟ピエール・マリアージュ(Pierre Mariage)はマダガスカルへ派遣され、マリアージュ家はフランス東インド会社の交易に深く関わることになりました。

マリアージュ家

1766年、マリアージュ家は「ジャン・フランソワ・マリアージュ」を営み、フランス北部の町リールでお茶や植民地産の香辛料や食料品の商売を続けており、幼い時から4人の息子に家業を教え込んでいた。

その内の2人の息子エメとオギュストが1845年、初めての茶の卸売のお店「オギュスト・マリアージュ・アンド・カンパニー」をパリに開きました。

1854年6月1日、エメの息子であるアンリ・マリアージュ(Henri Mariage)とエドワード・マリアージュ(Edouard Mariage)は、現在のマリアージュフレールの前身である茶類輸入業者「マリアージュフレール社(Mariage Freres Tea Company)」を設立しました。

ブランドの再構築と現在

1983年、創業以来の家族経営から外部の経営陣に移行しました。タイ出身のキティーシャ・サンマネ(Kitti Cha Sangmanee)とリチャード・ブエノ(Richard Bueno)が中心となり、ブランドの方向性が再構築されました。それまでの卸売業から小売業へとシフトし、パリ市内にティーサロンや専門店を開設しました。これにより、一般消費者へのアクセスが容易になり、ブランドの認知度が向上しました。

1984年頃からフレーバードティーの開発が進められました。最初に開発されたのは「マルコポーロ」、「トロピカル」、「エスプリドノエル」、「サクラ」などを含めた30種類。

マリアージュフレールは、茶葉の品質やデザイン、サービスにおいて高い基準を設け、紅茶を単なる飲み物ではなく、芸術的な体験として提供することを目指しています。このような取り組みによって、マリアージュフレールは現在、「フランス流紅茶芸術」として評価されるようになりました。

マリアージュフレールの特徴と強み

多彩な紅茶の種類
世界35カ国から厳選された茶葉を使用し、500種類以上の紅茶を提供しています。フレーバードティーやハーブティー、緑茶、中国茶など幅広いラインナップが特徴的です。

高品質なブレンド技術
独自のブレンド技術により、バニラやフローラルな香りを持つ紅茶が人気です。代表的な紅茶には「マルコポーロ」や「アールグレイフレンチブルー」があります。

店舗の雰囲気
パリを思わせる高級感ある店舗デザインとティーサロンが特徴で、紅茶の試飲や購入が楽しめます。

世界の店舗

マリアージュフレールは本店をフランス「パリ」のマレ地区に構え、世界35カ国に展開しており、500種類以上の紅茶を取り扱っています。

日本では1997年に東京・銀座本店がオープン。2025年5月時点、17店舗展開しています。

有名な紅茶3種
  1. マルコポーロ
    『東方見聞録』で知られる冒険家マルコポーロを表現したフレーバーティー。中国とチベットの不思議な花のミックスフレーバードティーという情報以外何がブレンドされているのかは秘密という、魅惑の一品。
  2. アールグレイフレンチブルー
    上質なベルガモットがやわらかく優雅に香る。矢車菊がブレンドされており、ブルーの花びらが見た目にも鮮やかなアールグレイ。
  3. ダージリン プリンストン
    ダージリンの中でも特に評価が高いプリンストンは、春に摘まれたファーストフラッシュの茶葉を使用しているため、非常にフレッシュで爽やかな風味が特徴。春摘みの茶葉は、青々とした香りと軽やかな渋みを持ち、飲むとすっきりとした後味が楽しめる。
時代によるブランド価値の変化

創業当初は紅茶貿易が中心でしたが、1980年代以降、外部経営陣によるブランド再構築により、国際的なラグジュアリーブランドとしての地位を確立しました。

現在では「フランス流紅茶芸術」を提唱し、紅茶文化の象徴的存在となっています。