
二ナス
Nina’s
二ナス(Nina’s)は、パリの中心地であるヴァンドーム広場のすぐ隣に本店を構える、フランスの代表的な紅茶ブランドの一つです。このページでは、かわいい赤い缶が特徴的な二ナスについてお伝えします!
目次
ブランドの起源
ニナスの起源は1672年、ピエール・ディアズ(Pierre Diaz)によって創業されたエッセンシャルオイル会社「ラ・ディスティルリー・フレール(La Distilleries Freres)」に遡ります。この会社は、フランスで初めてラベンダーエッセンシャルオイルを抽出したことで知られ、フランス王ルイ14世やヴェルサイユの宮廷に香水を供給していました。また、マリー・アントワネットにも愛されていたことでも有名です。
創業者ピエール・ディアズ
ピエールは「アロマのマジシャン」という異名で知られ、ラベンダーやローズをはじめ、ジャスミンなどの植物から抽出されるオイル生み出しました。また地中海最大の島であるシチリアのベルガモットやタヒチのバニラなど、世界中の最高級の原材料を使用してアロマを作り出し、フレグランスを創造する卓越した技術を持つ企業として、国際的にその名を知られるようになりました。そしてディアズ氏の巧みなフレグランス作りの技術的知識や情報は時代を巡り、現在のニナスのティーフレーバーへと受け継がれています。
マリー・アントワネットとの関係
18世紀頃、マリー・アントワネット(ルイ16世の妃)はピエールの香水を愛用し、特に彼のバラの香りを好んでいました。
1778年にはニナ・ディアス(ピエールの妻)がマリーアントワネットへ献上するために「ニナセット」というケーキのレシピを考案しました。このレシピは、現在もディアズ家の女性たちに代々受け継がれています。
後に彼女の名は二ナスを代表するフレーバーティーの名称として使用されました。この「マリー・アントワネットティー」は、セイロンティーをベースに、ヴェルサイユ宮廷の王の菜園「le Potager du Roi」で栽培されたリンゴと香り高いバラの花びらで香り付けされています。
紅茶専門店へとブランドを再構築
フレグランス業界の競争が激化する中で、ニナスは新たな市場である紅茶に目を向けました。紅茶は、香りや風味を楽しむ飲料として人気があり、特にフレーバーティーの需要が高まっていました。ニナスは、フレグランスの技術を活かして、他にはない香り高い紅茶を提供することで、差別化を図りました
そして1965年、紅茶会社二ナス(Nina’s)が設立されました。ニナスという名は、ピエールの妻ニナ・ディアズの名前に由来して付けられたそうです。
これまで二ナスといえば赤色のシックなデザインの紅茶缶が特徴的でしたが、2012年に発売された「マリーアントワネット」が大人気となり、ブランドの全体イメージが一新されました。マリーアントワネットの紅茶缶はピンクと白の可愛らしい色合いを基調としていたこともあり、パリ本店や日本のサロン・ド・テもイメージカラーの赤からピンクや白へと変わっていきました。
ニナスはその歴史を通じて、香水から紅茶へと進化し、王室とのつながりを活かした高級感あるブランドイメージを確立しました。
特徴と強み
エッセンシャルオイルを使った香りづけ
ニナスのティーブレンダーは代々受け継がれてきたフレグランス技術を応用し、茶葉の自然な風味を損なうことなく茶葉に香りを付ける技術を磨いています。
王の菜園との独占契約
二ナスは「王の菜園」の唯一の公式パートナーであり、ここで栽培、収穫された希少な果実など果物や植物を使用して独自の紅茶を製造しています。
可愛い紅茶缶
二ナスを代表するシックな赤い紅茶缶やピンクと白の可愛らしい色合いのマリーアントワネットの紅茶缶など女性らしいデザインを販売しています。
世界の店舗
ニナスティーはフランス国内外で展開しており、特にパリのヴァンドーム広場近くに本店があります。また、世界中の高級ティーサロンや百貨店で取り扱われています。
日本の店舗
日本では以下の店舗でニナスティーを楽しむことができます
東京
- LE SALON DE NINA’S 日比谷店
- LE SALON DE NINA’S 小田急百貨店新宿店
- NINA’S PARIS 武蔵村山店
神奈川
- LE SALON DE NINA’S クイーンズスクエア横浜店
*各店舗の詳細はリンク先、ニナスティー公式から!
ニナスティーの有名な紅茶3つ
- オリジナルマリー・アントワネットティー (Original Marie-Antoinette Tea)
セイロンティーにリンゴとバラの香りを加えたフレーバーティー。王室の庭園「王の菜園」で手摘み収穫された素材を使用。 - ニナスブレンド (NINA’S Blend)
オレンジ・ピーチ・ストロベリー・チェリーなどのフレーバーにブルーマロウを加えた優しい味わいです。 - ジュテーム (Je t’aime)
バニラとキャラメルの甘く深い香りのフレーバードドティーです。
時代によるブランド価値の変化
ニナスティーは、創業時の香水ブランドとしての高級感を紅茶に引き継ぎ、王室とのつながりを強調することでブランド価値を維持してきました。特に「マリー・アントワネットティー」の発売以降、歴史的背景を活かした商品展開が成功し、現代でも高級紅茶ブランドとしての地位を確立しています。